世界を恐怖に陥れたエイリアンの侵略から数ヶ月。人々は未だ混乱の最中にいた。慢性的に不足する食糧とエネルギー資源、頻発する犯罪や暴動――

救いを求める人々を尻目に、大国や各地の軍需企業、研究機関は、地上に散らばった侵略者の戦闘機体、チャリオットシリーズの残骸を回収し、エイリアンの技術解析に躍起になっていた。しかしチャリオットの多くは撃墜されてなお、敵の手による不正なアクセスに対抗する能力を失ってはいなかった。

機能中枢への干渉を自壊という手段で拒絶され、人類は投じたコストに見合った技術的恩恵を得る事ができずにいた。

そんな中、とある民間軍需企業であるICKX兵工技研が、エイリアンの巨大母艦、フォーチュンを確保。その中枢システムの制御に成功し、事実上これを独占する。

技術の横取りを狙う多くの勢力と争いながらも、これを武器としてICKXは急激に力を強めていく。

それから数年――

エイリアンとの激戦により一度は壊滅した首都は、早くも以前の街並みを取り戻しつつある。戦闘の爪痕は人々の心に暗い影となって残ったが、いまや全ては過去の出来事であった。忌まわしき記憶を振り払うように、人々は生きた。

世界は一応の安定を取り戻していた。

そんな折、ナヴァホは世界有数の軍需企業に成長したICKX兵工技研に、テストパイロットとして招かれる。しかしそこで搭乗することになったテスト機『Y1』は、明らかな実戦能力を持っていた……